シングルルールでの壁構築について

剣盾のランクマッチシングルルールで壁構築を使い込んできて、自分なりの考え方がそれなりに固まってきたので、後で見直しも出来るよう壁構築についての考え方を書いた自分用のメモを記事化してみました。

そこは違うだろ、というところも多々あると思いますが、あくまで個人の感想として読んでいただけると助かります。

 

【目次】

○壁構築のメリット、デメリット

○壁貼り要員の選択

○代表的な戦術

 1,積み展開

 2.サイクル展開

 3,要塞化による詰ませ

○終わりに

 

【壁構築のメリット、デメリット】

壁構築とは、リフレクター、光の壁、オーロラベールを使用する事で、相手からのダメージを半減させてダメージレースを有利に進めていく構築となります。

メリット、デメリットはそれぞれ以下の通りと考えています。

 

○メリット

①体力が実質2倍になるので体力管理がしやすい

一番分かりやすいメリットです。積み技を使用した後の体力を高く保てたり、本来は受けきることの出来ない高火力技を回復技で受けきることが出来ます。

②対面構築との選出択を最低限に抑えられる

個人的に一番大きいと考えているメリットです。特に禁止伝説2体環境のような高火力の環境であると、対面構築に対しては相手の初手のポケモンをしっかり読んで合わせないと対処が難しいですが、壁構築であれば壁要員初手で基本的に問題ないので選出択とならず、壁展開から有利なポケモンを繰り出していくことで安定した対処が可能です。

③明確な対策が取られにくい

明確な対策としては壁を破壊できる瓦割り、サイコファングが挙げられますが、瓦割りは威力75と低火力であること、サイコファングは一致で撃てるエスパータイプポケモンが特殊技メインのポケモンが多いことから構築内に優先して入れることが難しく、使用ポケモンは限られます。

下に個人的な瓦割り、サイコファング所持ポケモンのTier表を貼り付けておきます。(私がランクマッチで一回でも打たれたことがあるポケモンで作りました。Rank Dに一匹やばいポケモンがいますが実話です。)RankBまでは可能な範囲で警戒していきます。RankC以下は正直事故と割り切った方が勝率が上がるレベルの採用率だと思ってます。

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他には特性のすり抜けも対策として挙げられますが、これはf:id:csunny:20220410161321j:plainf:id:csunny:20220410161427p:plainの2体を警戒すればよく、瓦割りやサイコファングと違い見せ合い画面で分かるので、そこまで脅威ではないと考えています。(構築作りの段階で対策可能)

 

○デメリット

①被弾回数が多くなる

壁要員で壁を貼る、という工程が入る都合上、被弾回数は通常の構築と比べて多くなりがちで、どうしても急所や追加効果の状態異常が発生しやすいです。

ただ、まず急所については警戒し過ぎて早めに攻めに転じて、体力管理が疎かになり負けても意味がないので、当然被弾回数が極力少なくなるよう意識はしますが、私は5回の被弾までは急所に当たらないものと割り切って、壁要員以外の後続のポケモンに6回以上被弾させないよう意識して立ち回っています。「5回被弾して急所に当たらない確率は約80%=急所に一回でも当たる確率が約20%」なので、f:id:csunny:20220410161451j:plain絶対零度1発被弾と同じ確率と考えれば十分許容出来る範囲と考えています。また、タイミング次第では壁要員がすぐに退場できて後発に壁ターンを長く残せるなど、急所は悪いことだけでもないので、意識はするものの極度に気にし過ぎないのが壁構築を使うコツと言えると思います。

状態異常についても、後続の積みエースにラムのみを持たせたり、電気技での麻痺が無効の地面、電気タイプを優先的に採用するような一般的な対策しか出来ないので、ある程度は割り切る必要があります。例えば冷凍ビーム等の10%の追加効果を引く確率が一撃必殺技の30%を超えるのが4回被弾からなので、この場合は3回被弾の許容が立ち回りの一つの目安となると考えます。

これは壁構築に限った話ではないですが、立ち回りが大きくブレないように、どの程度の確率まで許容するか予め決めておくことは重要だと考えます。

②数的不利を取りやすい

後発のポケモンを受け出しできる状況は限られていて、壁要員をそのまま捨てる展開になりやすく、数的不利を取られてTODの展開になりやすいです。これについては後発に高火力の積みエースを置く、もしくは壁要員からの引き先を用意することである程度対策可能です。

③崩せない受けの並びが発生しやすい

最低でも1体は壁要員=攻撃性能ほぼ0のポケモンとなるため、通常の構築よりも崩しのルートが少なくなり、受け構築に対して弱くなりがちです。あくまで相対的にという話なので、環境の流行を見つつエースを選択していけば十分対処は可能です。

 

【壁貼り要員の選択】

壁貼り要員に必要な要素としては以下の通りと考えています。

 

①相手の上から壁を貼れる高い素早さor特性

相手の上から壁を貼れないと出落ちが発生しやすいので、一番重要な要素です。

個人的には素早さのラインの最低値としては準速f:id:csunny:20220410161519j:plain抜きの172です。これ以下の素早さのポケモンだと運用が難しいと思います。

②起点回避の挑発

これがないと壁貼りの前で積み技を積まれ続けて裏のポケモンごと破壊されてしまうので、起点回避技として重要です。この技がない壁要員と組み合わせる場合には裏に特性天然のポケモンを置くなどして相手の積み技をケアする必要があります。

代表的なポケモンf:id:csunny:20220410161553j:plainf:id:csunny:20220410161601p:plain

③自主退場技の大爆発、呪い等

壁貼りを落とさずに壁ターンを稼いでくるのも有効な対策の一つとなるので、特に積み展開を狙う時には壁貼りを瀕死の状態にして後発のポケモンに壁ターンを残す大爆発、呪い、置き土産も可能であれば入れておきたいです。

代表的なポケモンf:id:csunny:20220410161624j:plainf:id:csunny:20220410161634j:plain

 

他には撒菱を巻くことで後続の全抜きのサポートが出来るf:id:csunny:20220410161646p:plainや、零度や催眠術連打で起点回避を図るf:id:csunny:20220410161707p:plain等がいますが、相手の挑発で止められたり、命中率の関係で安定しないので個人的な評価は低めです。

 

【代表的な戦術】

以下に壁構築での代表的な戦術を3つ示していきます。 この3つの戦術を相手に合わせて選択出来るように組めると対応範囲の広い構築となります。

 

1,積み展開

壁展開でイメージする戦術としてはまずこの戦術となると思います。後続に積みエースのポケモンを置き、壁下で積みサイクルを展開します。この戦術で有名な並びとしてはf:id:csunny:20220410161754j:plainf:id:csunny:20220410161805j:plainが挙げられます。

本来積み展開は対面構築が苦手ですが、壁による耐久値の上昇により対面性能を向上させることでその関係を逆転させることが出来る、というところが壁構築にこの戦術を組み込む一番の理由であると考えています。

ただ、この戦術の時には基本的に後続の受け出しは難しいので、壁要員を捨て数的不利を取る展開になりやすいです。TODは難しくなるので、攻め切って勝つしか選択肢がありません。これは相手からも見えやすい立ち回りとなり対策もされやすいので、相手の厳しいマークを乗り越えていく必要があります。

 

2,サイクル展開

個人的にはこの戦術を一番評価しています。壁下でサイクルを回すことで、本来成立しないサイクルを成立させていきます。下の2つの構築記事中のf:id:csunny:20220302123013j:plainf:id:csunny:20220302123140j:plainf:id:csunny:20220302123140j:plainf:id:csunny:20210902130418p:plainがこの考え方で組んでいるので参考になると思います。

【S27 最終21位 最終レート2070】イベルネクロ壁サイクル

【S28 最終51位 最終レート2033】2軸展開壁イベルネクロ

この戦術は特に禁止伝説2体の「高火力+対面寄りの環境」で生きると考えています。「対面構築に強いサイクル展開+壁による対面性能の向上」の組み合わせで対面構築に対して明確に有利を取れます。

一般的に壁展開と聞いてイメージする戦術が1の積み展開なので、相手からのマークが薄いのもメリットとなります。

この戦術を取る際には後続のポケモンでの後出しが可能な場合が多いので、壁要員をなるべく残して数的不利を取らないようにする立ち回りが重要です。

デメリットとしては、壁下でサイクルを回すため積み展開と比較して試合時間が長くなりがちで、壁ターンの管理が難しいということが挙げられます。壁要員を切るタイミングが展開によるため、慣れるまで時間が必要です。

 

3,要塞化による詰ませ

壁下で防御、特防を上げて要塞化し相手を詰ませていきます。使用されるポケモンとしては呪いど忘れf:id:csunny:20220410161853j:plain、コスモパワーf:id:csunny:20220410161908j:plainf:id:csunny:20220410161923j:plain等が有名です。

一度展開してしまえば相手の選出によっては突破不能となるケースもあり、対応範囲は非常に広いです。この戦術ではTODも視野に入るので、サイクル展開と同じく、壁要員をなるべく残して数的不利を取らないよう意識します。

ただ、当然被弾回数が増えるので、他の戦術と比較して急所のリスクは高くなります。基本的に要塞化を図るポケモンは遂行速度が遅いので相手に十分な試行回数を与えてしまいます。

対応範囲は広いので壁構築に積極的に入れていきたい戦術となりますが、主軸とするのはリスクが高いので、あくまで苦手構築の誤魔化し用として入れるのが無難だと思います。

 

【終わりに】 

ここまでお付き合い頂き有難うございました。

この記事を読んで壁構築に少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。

壁構築は通常の構築の立ち回りに加えて壁ターンの管理が必要とされるため、使用難易度は高めで敬遠されがちな構築となりますが、しっかりと想定通りの動きが出来た時の爽快感はその分凄まじいので、少しでも多くの人に味わってもらいたいと思います。

自分用のメモを記事化しただけであり、分かりにくい箇所や説明不足の箇所もあると思いますので、質問事項等あれば私のツイッター(https://twitter.com/LY95_sunny_poke)にDM下さい。可能な範囲で回答します!