今回はポケットモンスターSVランクマッチS12で使用し最終27位の結果を残せた構築の記事となります。何か質問等あればツイッターアカウント(https://twitter.com/LY95_sunny_poke)までお願いします。
【目次】
【並び】
並びはこちらとなります。
ガチグマ(赫月)
217(228)-68-149(68)-171(4)-108(180)-76(28)
167(4)-186(252)-115-x-120-145(252)
171(180)-64-111(124)-101-120-170(204)
オーガポン
179(188)-149(68)-111(52)-x-117(4)-170(196)
サーフゴー
183(164)-58-116(4)-199(220)-116(36)-115(84)
トドロクツキ
197(132)-170(84)-108(132)-x-122(4)-174(156)
【構築経緯】
I.対面、クッション、抜き性能を両立するブラッドムーン/真空波/欠伸/瞑想ガチグマがあらゆる選出に絡め、柔軟な対応が可能な最強ポケモンと考えたので前期から引き続き軸として採用しました。
このポケモンは前期から使っていたので弱みは理解していて
①月の光がない関係上初手に置くと体力管理が難しく極力裏におきたいため他に初手出し性能が高いポケモンが欲しい
②ブラッドムーンと欠伸に両対応される身代わり持ちに弱いので対策必須
③ノーマル地面タイプの耐性上、環境に多いオーガポン、パオジアン、ウーラオスにはテラス強要されるので、裏のポケモンはテラス依存度が低いポケモンが望ましい
これらを意識して裏を考えていきます。
II.まずこのガチグマの裏に置くポケモンとしては、ガチグマを欠伸クッション運用した際に積みエースになれ、ガチグマが苦手な身代わり持ちに回答を持て、ガチグマにテラスを切る場面も多いので非テラスでもある程度戦えるポケモンを探していました。ここは連続技のスケイルショットで身代わりを貫通でき、アンコールによる身代わり対策も出来る積みエースである龍舞アンコ両立ダイスカイリューが適任と判断し、ガチグマ+カイリューの積みリレーを軸として考えていくこととしました。
III.この2体を強く使うためには特にパオジアンに強いポケモンが必要不可欠なため、前期の構築を参考に色々模索していましたが、ガチグマとウーラオスが対面した際に引きの選択肢を取れ、ガチグマが苦手な身代わりにこちらもアンコールで抗え、ガチグマ+カイリューの積みリレーをオーロラベールで補助出来るゴツメアローラキュウコンが最適と考えたため採用しました。
(参考:https://note.com/bonobonnie_poke/n/naee3ecc1b2cb ぼのぼにさん)
IV.上記の3体は初手出しする動きが弱く(ガチグマはラオスにテラス強要されがち、カイリューはミラーが不毛、キュウコンは初手置きが読まれやすい)、出来れば裏に置きたいポケモンであったので、次に、初手出し適正の高いポケモンを探していきました。
今回の構築で初手出しポケモンに求める条件は
①大体のポケモンに対して行動保証を持ち引きを強制されにくい高い対面性能
③テラスに依存せずに動ける
の3つが重要と考え、耐久振り挑発持ち竈門の面オーガポンが適任と考えました。
フェアリー半減によりハバタクカミの攻撃の一貫をガチグマと合わせて切れ、オーガポンに飛んでくる甘えるや電磁波をガチグマで無効に出来るので全対応の顔を出来るのも高評価ポイントです。
ステロ要員の中でこのポケモンが苦手なランドロス、ガブリアスに対してはキュウコンが強いので補完はしっかりと取れています。
V.ここまでの4体で厳しい点を挙げると
①受けルが崩しきれない
挑発オーガポン、アンコ龍舞カイリューで攻め駒+クッション枠に対して緩い崩しは出来るがガチガチの受け回し相手は厳しい
②チオンジェン絡みが厳しい
宿り木無効のオーガポンもイカサマで削られるので明確な対策枠が欲しい
③テツノツツミが重い
ガチグマテラス等で誤魔化せはするが、キュウコンの上から殴ってくる特殊アタッカーは辛い
それらを解決する保管枠として、崩し性能と特殊耐久を両立させられるチャージビーム持ちチョッキサーフゴーを採用しました。
(参考:https://sakkupoke.hatenablog.com/entry/2023/11/01/161142 サックーさん)
VI.上記の5体は早い段階から固まっていましたが、ラストの一枠は決めきれなかったので、最終日に環境を見て決めていくことにしました。(とりあえず腐らなそうなタスキ悪ウーラオスを入れて様子見)
1ロムのレートを100犠牲にして分かった求める要素としては
①サーフゴーだけではチオンジェン+メガネハバタクカミ(攻め駒)のような並びに安定しないため、チオンを起点に攻め駒を上から殴れるポケモンが欲しい
②初手ランドロスに対してキュウコンを合わせる動きが読まれやすく、オーガポンに代わる初手安定要員が欲しい
③ステロを挑発で防ぐ方針で組んでいるが、メンハサケブシッポ展開など挑発で防げないステロにカイリューが弱いので、ステロに弱くない積みエースが欲しい
上記を満たすポケモンとして、初手出しでのはたきおとすによる荒らし性能と、龍舞での抜き性能を両立出来るSブーストの龍舞トドロクツキが適任と考え最後の枠に採用しました。
最後に、轟く月(Roaring moon)と赫月ガチグマ(Blood moonを打つ)が偶然揃ったので、構築名を柔軟ガチカイリュー積みリレーから†轟血の双月† Roaring bloody moonに変更して構築が完成しました。
【個体紹介】
1,ガチグマ(赫月)
テラスタイプ:毒
特性:心眼
持ち物:食べ残し
技:ブラッドムーン/真空波/欠伸/瞑想
⭐︎調整
実数値(努力値):217(228)-68-149(68)-171(4)-108(180)-76(28)
性格:控え目(A↓C↑)
○H無振りウーラオスをブラッドムーンで乱数1発(81.3%)
○H252振りウーラオスをブラッド+真空波で89.8%で倒す
○特化カイリューの嘴テラバ残飯回復込み乱数2発(6.2%)
○特化ウーラオスのパングロ水流98.6%で耐え
○A特化カイリューの鉢巻けたぐり最高乱数以外耐え
○臆病ハバタクカミのフェアテラメガネムンフォ最高乱数以外耐え
○ミラー意識で余りを全てSに
⭐︎解説
①ブラッド+真空波の対面性能、②欠伸を使ったクッション性能、③瞑想からの全抜き性能の3つを併せ持つ神。①で運用している際にブラッド後の隙を欠伸で潰して②の役割に移れるし、②で眠らせる選択肢をとってきた場合に、裏に引かずに③を活かして全抜きを狙えます。
対面性能はチョッキやシルクのスカーフの方が、クッション性能は欠伸守る両立の方が、全抜き性能は瞑想月の光両立の方が高いですが、このガチグマはそれらのガチグマに求める役割を8割程度の性能で全て満たしてくれるところが最大の強みとなります。
それにより対面選出にも、カイリューの起点作りをするクッションとしての選出にも、キュウコンスタートの積みリレーにも問題なく組み込むことができ、また対戦中の展開により役割を切り替えることも出来るのでまず腐ることがないです。
地面枠のクッションとしては他にカバルドンがいますが、カバルドンは地震では相手にかける負荷が低く、欠伸連打が必要な場面が多いのに対し、このガチグマは欠伸→ブラッドor瞑想が常に強い動きとなり基本的に択が発生しません。カイリューに欠伸を打った後、ブラッド+瞑想+ブラッドで処理可能なのも偉いポイントです。
テラスタイプはハバタクカミのムーンフォースを半減でき、オーガポン、ウーラオス、パオジアンのメインウェポンで抜群を取られない毒を選択しました。
ガチグマの採用率だとミラー発生は避けられなかったので、耐久と火力を最低限確保し、可能な限り素早さを伸ばしました。これでも結構抜かれていたので活きたかは微妙なライン。
このポケモンは2か月間使い続けたこともあり練度、理解度も高まっていて、強く使っていくことが出来ました。今期のMVP。
2,カイリュー
テラスタイプ:鋼
特性:マルチスケイル
持ち物:いかさまダイス
技:スケイルショット/地震/アンコール/龍の舞
⭐︎調整
実数値(努力値):167(4)-186(252)-115-x-120-145(252)
性格:陽気(C↓S↑)
○ウーラオスをA+1スケイルショットで落とす確率を少しでも上げるためA振り切り
○ミラー意識の最速/ハバタクカミをS+1で抜かすために性格補正は必要
⭐︎解説
特性により無振りでも高い耐久値を実現できる積みエース。攻撃技は身代わり貫通できる連続技のスケイルショットと鋼タイプへの打点の地震の2Wとし、今回は補助技を龍舞とアンコールの2つ入れました。
このポケモンはガチグマと組み合わせることで真価を発揮します。ガチグマの欠伸展開から隙を作って龍舞からの全抜きが出来るのは勿論のこと、ハバタクカミの甘える電磁波をアンコールしてガチグマ引きを安定させたり、ガチグマのブラッドムーン、欠伸を透かしにくる身代わりに後出しして身代わりアンコール→龍舞→スケイルショットで身代わり貫通しつつ攻撃したり幅広い立ち回りが実現できます。
身代わり龍舞カイリューが飛行テラバワンウェポンであることが多かったのでそれを誤魔化す選択肢が持てるようにテラスタイプは鋼としました。上記のようにガチグマと組み合わせてハバタクカミを誤魔化すことも多かったので、電気テラスではなくムーンフォース半減の鋼テラスを選択しました。
再生技をアンコールする等、立ち回り次第で受けポケモンも崩せるので、攻め駒+クッションのような構築に対しても選出を歪ませなくて済むところも強かったです。弱点がスケイルショットの命中不安しかない神ポケモンでした。
テラスタイプ:水
特性:雪降らし
持ち物:ゴツゴツメット
技:ムーンフォース/フリーズドライ/アンコール/オーロラベール
⭐︎調整
実数値(努力値):171(180)-64-111(124)-101-120-170(204)
性格:臆病(A↓S↑)
○陽気竈の面オーガポンの蔦棍棒確定耐え
○特化ウーラオスの水テラス鉢巻水流66.3%で耐え
○最速ガブリアス抜き
⭐︎解説
ガチグマ、カイリューの最大の障害、パオジアンに強い物理受けクッション枠。今期は前述のガチグマはずっと構築に入れていましたが、前期の1位構築の影響で増えた渦カイリューの対策枠として最終盤にパオジアンが増加するのが目に見えていたので、このポケモンもずっと入れると決めていました。
技構成はパオジアン、ウーラオスに打つメインウェポンのムーンフォース、採用理由の一つである身代わりをはじめとする補助技に耐性をつけるアンコール、後続のポケモンの補助となり、有利対面時の安定行動になりやすいオーロラベールの3つは確定として、最後の1枠には井戸の面オーガポン、ヘイラッシャへの打点としてフリーズドライを採用しました。
テラスタイプは色々試しましたが水流連打、アイへ、炎ツタこん棒半減の水が一番切る機会が多かったので水に。他の候補としてはハバタクカミに切る鋼、毒や竈の面オーガポンのメインウェポンを両半減出来る炎となりそうですが正直切る場面はほとんどないので何でもよいです。
ゴツメダメ+ムーンフォースでパオジアンを落とすために持ち物は粘土ではなくゴツゴツメットとしました。
零度パオジアンにも選出画面で睨みをきかせてくれるので、今期は零度のストレスもなく快適にポケモンバトルが出来ました。このポケモンが零度の打ち方を忘れてくれてよかったです。
4,オーガポン
テラスタイプ:炎
特性:型破り/面影宿し
持ち物:竈の面
技:ツタこん棒/パワーウィップ/岩石封じ/挑発
⭐︎調整
実数値(努力値):179(188)-149(68)-111(52)-x-117(4)-170(196)
性格:陽気(C↓S↑)
○H252B4振り連撃ウーラオスをパワーウィップで乱数1発(81.2%)
○特化ウーラオスの水テラス水流96.7%で耐え
○最速ガブリアス抜き
⭐︎解説
耐久振りによる高い対面性能+挑発による展開阻害性能により初手安定する鬼の子。
特に対スタンパでオーガポン+ガチグマ+カイリューの選出となりがちだったので、不意の鉢巻水テラス水流で崩壊しないよう陽気ウーラオスを抜けるようSを引き上げ、尚且つスカーフ意地水テラス水流で落とされないB耐久は確保する両対応の調整となっています。火力を削ってでも初手の安定性を重視しました。
また、上記の選出であるとフェアリーテラスの渦電磁波カイリューが重くなりがちですが、挑発を持たせることで電磁波羽休めを防ぎつつ倒すことが出来ます。
さらに、S振り+岩石封じ持ちは環境におらず、ミラーにひたすら勝ち続けていたので、このオーガポンは今期の環境に相当刺さっていました。
ウーラオスを倒すためにウッドホーンではなくパワーウィップかウッドハンマーの採用は必須で、ウッドハンマーであるとディンルーやヘイラッシャに打った時の反動が痛すぎたので魂を込めるパワーウィップにしました。この命中不安がこのポケモン唯一の弱点です。
5,サーフゴー
テラスタイプ:格闘
特性:黄金の体
持ち物:突撃チョッキ
技:シャドーボール/ゴールドラッシュ/チャージビーム/気合玉
⭐︎調整
実数値(努力値):183(164)-58-116(4)-199(220)-116(36)-115(84)
性格:控え目(A↓C↑)
○気合い玉でH4振りイーユイを乱数1発(93.7%)
○シャドーボールでH4振りサーフゴーを確定1発
○特化ガチグマの大地の力+真空波95.3%で耐え
○特化サーフゴーのメガネシャドーボール乱数1発(12.5%)
○最速あかつきガチグマ抜き
⭐︎解説
チョッキによる高い特殊耐久を持ちながら崩しが出来るハイスペックポケモン。構築の補完として求める役割はサケブシッポ展開へのメタ等も考えるとマント巧みサーフゴーが満たしていましたが、キュウコンの壁サポート前提の運用になりがちで、単体での対面性能はある程度確保しないと選出しにくかった(キュウコン+サーフゴー@1で強い選出が今回の構築にない)ので、崩しと対面性能を両立出来るこの型としました。最終盤は見え見えの展開構築は淘汰されがちで、前期一定の結果を残したサケブシッポ展開には黙っていても他の人が巧みサーフゴーでマジレスしてくれると考えたのでチオンジェン入りに出す際のカミ等の攻め駒への行動保証を優先しました。
技構成はメインウェポンのシャドボ+ゴールドラッシュと、受け出しのハピナスをC+1格闘テラス気合玉で崩すためのチャージビーム+気合玉で確定です。運が絡むように聞こえますが、受けルに対してはチャージビームでCが上がるまで非テラスでサイクルを回し、上がったらテラス気合玉+ゴルラを当てれば良いので勝率は70%です。ハピナスの振り方次第では気合玉2連当てが必要なので勝率は49%ですが、今期は受けルが上位にほとんどいなかったのであまり真面目に対策したくなく、こんくらいで良いかなと割り切ってました。ちなみに最終日は当たりませんでした。
崩しの役割を持たせるためにテラスタイプは格闘ですが、パオジアンの悪技やチオンジェンのイカサマを半減出来たり、耐性テラスとして活きる場面も思ったよりありました。
気合を入れて気合玉を当てなきゃいけないのはイーユイに交換読みで打つ時くらいで基本シャドボゴルラを打てばよいので、このポケモンはメインウェポンが命中不安のカイリュー、オーガポンと違って安心して運用できました。
6,トドロクツキ
テラスタイプ:飛行
特性:古代活性
持ち物:ブーストエナジー
技:はたき落とす/アクロバット/挑発/龍の舞
⭐︎調整
実数値(努力値):197(132)-170(84)-108(132)-x-122(4)-174(156)
性格:陽気(C↓S↑)
○特化カイリューの鉢巻神速乱数2発(4.6%)
○テラス時特化イーユイのオーバーヒート確定耐え
○最速テツノワダチ抜き
⭐︎解説
最終日に急遽投入した積みエース兼初手安定要員。積みエースとしてはチオンジェンとステロに弱くないところがカイリューと差別化出来ているし、初手安定要員としてはオーガポンが苦手なランドロス入りに対して出してはたきアクロで雑な削りが出来る等役割が被ることもなく、奇麗に構築にハマってくれました。
技構成としては追加効果優秀なはたき落とすとウーラオス、オーガポンへの打点となるアクロバット、展開阻害のための挑発と積みエースとして運用するための龍舞で完結してます。テラスタイプはアクロバットの威力を上げる+カバルドン展開に対して一方的に有利を取れる飛行テラスです。
古代活性のブーストはSにかけています。これにより他のポケモンで取りこぼした非ブーストのハバタクカミを処理したり、Sブーストテツノツツミで止められなくなったり出来ます。
最終日に投入したため配分についてはまだまだ調整の余地がありますが、構築の穴を埋めてくれた影のMVPです。
【選出パターン】
+or+orが基本で受けルやチオンジェン入りにを絡めるイメージ。
も初手の候補になりますが、ミラーが不毛なと、初手オーガポンと対面するのがヤバいは初手には滅多に置きませんでした。
積みエースの構成を補助技+積み技としており、一方通行でない積みリレーが可能となっているため、積みリレーと言いつつも、安易にエースを切らずに立ち回ることは意識していました。
【最終結果と振り返り】
最終日対戦動画 https://youtu.be/rknMk_sa6d0?si=9NrEq7lQ3BsJfLik(※音無し)
S12は最終順位27位でした。最終レートは2118。
最終日は普通に仕事だったので7時前に撤退してこの順位。終了2時間前にここまでこれていて上位への挑戦権は得られていたので構築は間違いなく強かったと思います。
前期の反省をしっかりして構築の完成度を高めていけたのでよかったです。
唯一メインウェポンを命中不安にしたのが良くなかったのでそこは反省して次につなげていきますが、それで構築が弱くなったら意味ないのでそこはしっかりバランスを考えます。
ここまで長文にお付き合い下さりありがとうございました。