今回はポケットモンスターSVランクマッチS13で使用し最終27位の結果を残せた構築の記事となります。何か質問等あればツイッターアカウント(https://twitter.com/LY95_sunny_poke)までお願いします。
【目次】
【並び】
並びはこちらとなります。
トドロクツキ
197(132)-176(4)-109(140)-x-122(4)-168(228)
ガチグマ(赫月)
213(196)-68-145(36)-181(76)-110(196)-73(4)
179(244)-64-101(44)-102(4)-140(156)-150(60)
ゴリランダー
176(4)-194(252)-110-x-90-137(252)
霊獣ランドロス
196(252)-182(4)-111(4)-x-131(244)-112(4)
サーフゴー
177(116)-63-116(4)-199(220)-112(4)-125(164)
【構築経緯】
I.DLCで痛み分けを習得したことにより壁展開後に回復しながらサイクルを回せる存在となったアローラキュウコンで久々に壁サイクルの動きが出来るのではないと考え、このポケモンからスタートしました。
SVにおける壁構築で積み展開(初手の壁要員を捨てて2体で積みリレー)をしようとすると、こちらの2体のテラスで相手の3体のテラスに対応する必要がある点で対応範囲が狭まるところが好みでなかったため、数的不利を取らないように壁サイクル(壁展開→裏引きでサイクル→壁再展開→詰め)の動きを取りたいと考えていたためこの強化は待ちに待った強化でした。
II.サイクルの相方としてはキュウコンが苦手なオーガポン、ハバタクカミ、サーフゴーに強く、威嚇+挑発で後発をサポート出来るHDランドロスとしました。
ハバタクカミ、サーフゴーを相手取る上で電磁波無効は非常に重要な要素なのでこのポケモンが適任と考えました。
III.次は上記2体でサイクルを回した後のスイーパーの選定です。今回のスイーパーには、壁下で使用率TOP7(カイリューサーフゴーパオジアンハバタクカミオーガポンガチグマウーラオス)に勝てることと、キュウコンランドを倒してくるスカーフウーラオスの水流連打を起点に出来ることを特に求めました。ここは、先制技のグラスラで上からカミを縛れるため甘えるに止められず、アクロバットと10万馬力で他のポケモンも崩せる+水流連打半減のグラスシードゴリランダーを採用しました。
IV.ここまででキュウコンを壁展開前に破壊し、メガネオバヒでランドロスを破壊し、グラスラ半減によりゴリランダーのストッパーとしても機能するイーユイが特に重かったので、壁展開前でもイーユイに受け出してサイクルを回せる第二の積みエースとして羽休めトドロクツキを採用しました。
IIIで記載のスイーパーに求める2条件はこのポケモンもギリギリ満たしてはいます。(パオジアンと甘えるハバタクカミが怪しいので優先度は低め)
V.ここまでが物理偏重となっているので次に高火力特殊アタッカーの採用を考えました。ゴリランダーで積む前の初手にくるテツノツツミも辛かったので、そこにも強い駒としてハイボで身代わりも貫通出来るチョッキガチグマを採用しました。
ノマテラブラッドの等倍高火力によるランドゴリラツキが崩し切れない天然勢への崩し性能を特に評価しました。
VI.最後に補完枠。ここまでで厳しい構築としては
①受けループやチオン入りの受け
②ステロ+ドラテカイリュー
③毒菱+キョジオーン
の大きく3つが思い当たったので、当初はフェアリーテラスマントサーフゴーを採用していましたが、ヘイラッシャに地割れの試行回数を稼がれてしまうこと、アイへ持ちのドラテカイリューの増加、地割れ持ちキョジオーンが無視出来ない数いたことを踏まえて身代わり残飯水テラスサーフゴーに変更して構築が完成しました。
【個体紹介】
1,ガチグマ(赫月)
テラスタイプ:ノーマル
特性:心眼
持ち物:突撃チョッキ
技:ブラッドムーン/大地の力/ハイパーボイス/真空波
⭐︎調整
実数値(努力値):213(196)-68-145(36)-181(76)-110(196)-73(4)
性格:控え目(A↓C↑)
○特化イーユイのメガネオーバーヒート最高乱数以外耐え
○臆病テツノツツミの水テラスハイドロポンプ確定耐え
○ノーマルテラスブラッドムーン+真空波でH252D4振りオーガポンを確定
一般的なチョッキガチグマより火力と素早さを削り耐久に回すことにより初手出しする際の安定感を高めました。
⭐︎解説
高火力の特殊アタッカーとしての採用。主に他のポケモンで崩すのが難しいヘイラッシャやキョジオーン入りに対して壁のサポートで裏の攻め駒に勝てるようにして通していきます。ランドロスやトドロクツキが苦手とするテツノツツミに対しても身代わり貫通のハイパーボイスの存在で有利を取れるのも高評価ポイントです。
対面性能が非常に高いので壁と合わせてトドロクツキ等の相手の積みポケモンのストッパーをしてもらうこともありました。
技構成はブラッドムーン、大地の力、ハイパーボイス、真空波のテンプレ4つとしました。欠伸ガチグマが苦手な身代わり持ちにハイパーボイスで抗えるのがチョッキ型最大の利点と感じました。
テラスはオーガポンに対面勝てるノーマルテラスとしました。ブラッドとハイボの威力を上げることで受け出しカイリューが羽休め連打しか出来なくなるのもノマテラの採用理由になります。
このポケモンはチョッキを持たせても特殊耐久に不安があるので今まで採用を避けていましたが、壁のサポート下で動かすという考え方を身につけてからはかなり強く使えるようになったと感じています。壁チョッキガチグマは最強です。
2,ゴリランダー
テラスタイプ:炎
特性:グラスメイカー
持ち物:グラスシード
技:グラススライダー/10万馬力/アクロバット/剣の舞
⭐︎調整
実数値(努力値):176(4)-194(252)-110-x-90-137(252)
性格:意地っ張り(A↑C↓)
○A特化/A+2グラススライダーでB4振りパオジアンを確定1発
○準速/準速サーフゴー抜き
⭐︎解説
本構築最強のエース。先制技のグラスラにより一度積んでしまえばカミツツミやパオジアンを縛れるのが強いポイントで、そのおかげで流行気味だったクッション(ママンバレル等)+鉢巻眼鏡のような構築にも有利に立ち回ることが出来ました。
技構成は最強先制技のグラススライダー、オーガポンやモロバレル等の草タイプへの打点としてアクロバット、鋼毒タイプへの打点として10万馬力を採用し、積み技は遂行速度重視で剣の舞としました。
持ち物はB1段階上昇で起点に出来る範囲を広げるグラスシードを持たせました。アクロバット採用のための消費アイテムの側面もあります。
テラスタイプは竈門の面オーガポンに抗うため炎テラスとしました。炎テラス時の最大の障害となる連撃ウーラオスはグラススライダーで縛れ、地面弱点をフィールドで消せるので、全ポケモンの中で一番炎テラスを強く使えるポケモンだと考えてます。
テラスを切ってしまうと裏のタスキラオスに止められがちですが、ラストの詰め筋としてチョッキ連撃ラオスが増加していたこと、またステロ環境だったのでタスキラオスは少ない+初手に来やすかったことが追い風でした。(こちらの構築にステロを撒きそうなランドがいるのでなおさら)
壁によるサポートがあれば盤石ですが、グラスシードによるBupで単体でも積みからの全抜きを狙えるので本当に頼もしかったです、本構築のMVP。
テラスタイプ:水
特性:雪降らし
持ち物:光の粘土
⭐︎調整
実数値(努力値):179(244)-64-101(44)-102(4)-140(156)-150(60)
性格:臆病(A↓S↑)
○特化パオジアンの悪テラス噛み砕く乱数2発(1.1%)
○特化ハバタクカミの妖テラスメガネムーンフォース乱数1発(25%)
○陽気連撃ウーラオスの水テラス鉢巻水流連打3.3%で落ち
○準速ウーラオス抜き
初手メガネハバタクカミでキュウコンを飛ばして壁展開を防ごうとする人が多かったので、BとSを最低限まで削ってDを可能な限り伸ばしました。
⭐︎解説
パオジアンに強い物理受けクッション枠。電気テラバパオに押し切られがちだったりと実はそこまで強くなかったりしますが、現環境の壁構築メタの両ウーラオスとサイコファングパオジアンの両者に有利を取れるので壁展開を阻害されにくいところが優秀で前期から続投させました。前期との違いは痛み分けの習得により壁展開→痛み分けで体力管理→裏引きでサイクル→壁再展開→詰めの壁サイクルの動きを出来るようになったことです。
技構成はコンセプトの痛み分け+オーロラベールは確定として、残り2枠にパオジアン、ウーラオスに打つメインウェポンのムーンフォース、補助技に耐性をつけるアンコールを採用しました。正直アンコールは読まれがちで活きる場面が少なかったのでミストフィールドあたりに変えても良さそうでしたが、いざって時にないと困る技ではあったのでそのままにしました。
痛み分けとアンコールで居座るターンが長くなりがちだったので持ち物は粘土にしました。ゴツメじゃないと対パオジアン、ウーラオス性能は怪しいですが、壁ターンが足りなかったです。
テラスタイプは色々試しましたが水流連打、アイへ、炎ツタこん棒半減の水が一番切る機会が多かったので水に。他の候補としてはハバタクカミに切る鋼、毒や竈の面オーガポンのメインウェポンを両半減出来る炎となりそうですが正直切る場面はほとんどないので何でもよいです。
強いポケモンではありましたが、認知度が上がって前期よりもメタられがちだったのが辛かったです。
4,霊獣ランドロス
テラスタイプ:水
特性:威嚇
持ち物:オボンのみ
技:地震/岩石封じ/挑発/ビルドアップ
⭐︎調整
実数値(努力値):196(252)-182(4)-111(4)-x-131(244)-112(4)
性格:意地っ張り(A↑C↓)
○特化ハバタクカミの妖テラスメガネムーンフォース乱数1発(12.5%)
○S-1最速100族抜き
⭐︎解説
竈門の面オーガポンに強く、カミサフゴにも強い電磁波無効枠。こいつが苦手なパオラオスにはキュウコンが強い+威嚇で霰込みでも足りないキュウコンの耐久を補助出来る点でキュウコンと相性が良いです。ランド→キュウコン引きで両刀カイリューもケア出来るので対カイリュー性能は高い組み合わせです。
技構成はメインウェポンの地震と浮いてるポケモンへの打点+起点回避技の岩石封じ、カバルドン、ガチグマの欠伸展開を阻止できる挑発までは確定として、残り一枠はビルドアップとしました。ステルスロックと最後まで悩みましたが、ステルスロックにしてしまうとランドロスを捨ててエースで全抜きするルートをとりがちになってしまうので、それよりランドロスを残すルートも取れるようにランドロス自身にも積み技を入れた方が立ち回りに幅が出来ると考えて最終的にビルドアップにしました。ここは本当に諸説枠。
テラスタイプはビルド後に水ラオスに有利を取れる水テラスです。
慎重ではなく意地っ張りとしているので特殊耐久には若干の不安がありますが、ウーラオスを地震2発で倒せる方が重要と考えてAに補正をかけました。他にも無振りハバタクカミが地震で確定になるメリットもあります。
裏のゴリラツキでA-1の連撃ウーラオスを起点にすれば勝てると判断した時にはノータイムで捨てていたのでかなり出落ちもさせたのは申し訳ないとは思ってます。
5,サーフゴー
テラスタイプ:水
特性:黄金の体
持ち物:食べ残し
技:シャドーボール/気合い玉/悪巧み/身代わり
⭐︎調整
実数値(努力値):177(116)-63-116(4)-199(220)-112(4)-125(164)
性格:控え目(A↓C↑)
○気合い玉でH4振りイーユイを乱数1発(93.7%)
○シャドーボールでH4振りサーフゴーを確定1発
○H16n+1/テラス時特化カイリューのノマテラ神速残飯回復込み乱数2発(0.3%)
○最速バンギラス抜き(ミラー意識で余り振り切り)
⭐︎解説
今回は受け崩し、ステロ+ドラテカイリュー、毒菱+キョジオーンへのメタ枠としての採用。このポケモンは軸にしようとするとマークがキツくて自分のPSでは使いこなせないのでこんな感じで補完枠として使うのが一番肌に合います。
技構成はメインウェポンのシャドボと役割対象のハピナス、チオンジェンに抜群を取れる気合い玉の2Wとし、受け崩しのための悪巧みと、ヘイラッシャの地割れ、キョジオーンの地割れと塩漬け、カイリューのドラテを防ぐ身代わりを入れました。
テラスタイプはウーラオスの水流連打、ヘイラッシャのウェーブタックル半減の水としました。
フェアリーテラス+マントだと役割対象に仕事が出来なかったので消去法的な採用でしたが、壁構築で回復するターンは相手に負荷をかけられない無駄なターンとなりがちなので、攻撃や積みをしながら回復する残飯型での採用は壁ターンを節約するという見方をすると想像以上に理にかなっていた気がします。
6,トドロクツキ
テラスタイプ:飛行
特性:古代活性
持ち物:ブーストエナジー
技:はたき落とす/アクロバット/龍の舞/羽休め
⭐︎調整
実数値(努力値):197(132)-176(4)-109(140)-x-122(4)-168(228)
性格:意地っ張り(A↑C↓)
○A11n/余り4振り
○特化カイリューの鉢巻神速乱数2発(2.3%)
○特化サーフゴーのメガネゴールドラッシュ最高乱数以外耐え
○最速100族抜き
⭐︎解説
キュウコンゴリランダーが苦手なイーユイに受け出しからサイクルを回せる積みエースとしての採用。カイリューも候補でしたがステロ+イーユイで崩されがちだったので、ステロがそこまで痛くない+炎悪両半減+メガネイーユイに対しては上から羽休め出来るこのポケモンを採用しました。
技構成としては追加効果優秀なはたき落とすとウーラオス、オーガポンへの打点となるアクロバット、イーユイ入りにサイクルを回すための羽休めと積みエースとして運用するための龍舞としました。
テラスタイプはアクロバットの威力を上げて抜き性能を高める飛行としました。
キュウコン+トドロクツキは意識されやすい並びであるので、イーユイ入り以外には極力出さないようには意識していました。振り返るとこの並びを相手に印象づけて、真のエースゴリランダーの通りを良くするところが一番貢献していた気がします。
【選出パターン】
+oror+orが基本選出
積みリレーで行けそうな時には++の選出をすることもありました
スイーパーのがいないと上から殴られ続けるので基本どちらかは入れる(入れないとラオスで水流されてるだけでワンチャン負けれる、あるあるな負けパターン)、がテラスなしだと弱いのでにテラスを切りたいなら極力裏はにする、あたりは意識していました
【最終結果と振り返り】
最終日対戦動画 https://youtu.be/8uknBWE-BpU?si=FYICI4Wv0Xz2tOxy @YouTubeより(※音無し)
S13は最終順位27位でした。最終レートは2127。
分かってはいたけど七色のパオジアンに悩まされたシーズンでした。下から動く以上安定しないのでシーズン中盤まではスカーフラオス入りで悪戦苦闘していましたが肌に合わずに結局キュウコンを採用してお祈りしていたので妥当な順位。午前3時に2100は乗せられていたのにズルズルと溶かしてまたそこから勝ちきれませんでした、悔しい。最後まで粘って30位以内に滑り込めたのは良かったけどエンジンがかかるのが遅い。
最終日に自信喪失して勝ちきれないパターンばかりなので、レギュFでは最後まで信じ切れる構築を作ることを当面の目標にします。
ここまで長文にお付き合い下さりありがとうございました。