今回は、ランクマッチS20で使用し、最終30位の結果を残せた構築の記事となります。
※本記事中に記載のベース構築=S18,19の構築(記事有)となりますが、読み進めるのに当たって必要な情報は本記事内に記載し、本記事内で完結するようにしていますので、S18,19の記事を読む必要はありません。
【目次】
長文のため読み飛ばせるよう内部リンクをつけていますので、適宜ご活用ください。
【並び】
並びはこちらとなります。(参考にレンタル貼り付けます)
【構築コンセプト】
○壁から積みエース()を通す
○壁展開が難しい相手には()で荒らしトリックルームを通す
【構築経緯】
上記のS18,19で使用した構築をベースとしました。
ベース構築の並びとしてはとなります。
環境に一定数いるテンプレートの並び、連撃+++地面枠のような並びに対して悪巧みの刺さりがよく、の欠点である低い耐久値を壁によって補助し、特殊エースとして主軸にしようと考えたことが構築の起点となります。
元々役割対象として想定していたは一時期よりも減っていましたが、依然として環境に多い等の水+地面の並びに有利を取れるため、ベース構築の基本選出となる壁+悪巧みの並びは続投させました。と技範囲の相性補完がよく、高火力によりでの対処が難しい天然勢を崩すことの出来る、壁と組み合わせて広い範囲を誤魔化すことの出来る天然も続投させ、残りの2枠を、S19の反省を踏まえてに変更しました。
○→の狙い
①S19でのアタッカーの増加への対策
ベース構築のHDではをある程度安定して受けることは出来ますが、火力のある相手だと回復に専念しなくてはならず、後続のポケモン(等)の安定した後出しを許してしまうことが気になっていました。そこで、トリックルームによる切り返しでの後続までまとめて処理出来るを採用しました。のような積み技の無い岩タイプはアッキのみ等の耐久寄りの配分だと羽休めで粘られてしまいますが、S19での耐久の低いアタッカーの増加により、採用に踏み切ることが出来ました。
②への対策強化
ベース構築ではHDで受けをしていましたが、アシッドボムで崩されるケースが目立ったため、毒技無効の鋼タイプので対策することとしました。
○→の狙い
③S19での一撃増加への対策
S18では連撃がほとんどの環境であったことから、ベース構築ではを採用していましたが、S19での一撃の増加に伴い、からに変更することで、対策枠としての選出を強要されないようにしました。
④ベース構築に不足していたの安定した処理ルートの確保
耐久が低いの代わりに、草4分の1で特性マルチスケイルのを採用することで、に受け出しが出来るようにしました。の型としては鉄壁を積まれた状態でもを一撃で落とせる特殊型で採用しました。
上記の変更を実施しての並びでS20は潜っていましたが、S19→S20の環境の変化はB寄りの配分のが増加し、が若干動き辛くなった程度だったので、立ち回りでカバーできる範囲と考え、この並びのまま最終日まで潜り続けました。
【個体紹介】
1,カイリュー@ラムのみ
特性:マルチスケイル
性格:控えめ(A↓C↑)
実数値:177-140-118-165-120-120
努力値:84-12-20-236-0-156
技構成:
調整:
HB→ダイマックス時A特化のトリプルアクセル最高乱数3連以外耐え/無補正A252振り命の珠の冷凍パンチをステルスロックダメージ後にダイマックス時最高乱数以外耐え
A→ダイアースでH4B76ダイマックス乱数1発(81.25%)
C→11n/エアスラッシュで耐久無振り確定1発
S→S+1で最速抜き
役割:両刀エース/催眠対策/系統PTの崩し/草技の一貫切り
S19のの代わりの両刀エースとして採用しました。
技は、飛行の安定打点のエアスラッシュ、等に打つれいとうビーム、等に打つだいもんじ、に打つ地震を選択しました。
持ち物は、欠伸への耐性を付けるためにラムのみを持たせました。
のような構築を想定した技構成、持ち物となります。
特に、がを、がを、がを強く呼び込むため、相手の選出がこの3体の選出になりやすく、この単体で相手のパーティを半壊に追い込むことが多々ありました。
だいもんじを命中安定の火炎放射にしたい場面はかなりありましたが、を倒しきれずに、型が割れた状態で守るを絡めて体力管理される展開を避けたかったため、H252振りを確定で落とせるだいもんじを選択しました。
物理型と異なり、で完全に止まってしまうため、相手の構築にがいる場合には選出を控えていましたが、その他の構築には幅広く選出することの出来る対応範囲の広い優秀なエースでした。
2,霊獣ランドロス@命の珠
特性:威嚇
性格:意地っ張り(A↑C↓)
実数値:165-216-110-x-100-143
努力値:4-252-0-0-0-252
技構成:
調整:
H→残り/実数値奇数
A→特化
S→振り切り/S+1で最速抜き
役割:物理エース/電気と地面の一貫切り/威嚇によるサイクル補助
ベース構築から続投の耐性優秀な物理エースです。このポケモンを基本選出に組み込むだけで、電気と地面の一貫が切れる破格の性能をしています。
技は、積み技として剣の舞、タイプ一致安定打点のじしん、ダイジェット媒体のそらをとぶ、サブウェポンの岩技には火力重視でストーンエッジを採用しました。
S19での流行によりマークはきつくなった印象があるものの、で対応出来ない天然勢絡みのサイクルの崩しにはA特化珠の高火力が必要でした。
火力の目安は以下参照ください。
①ダイジェット、ダイアース
HB A+2ダイジェット、アースで確定1発 陽気だと乱数
耐久無振り ダイジェット、アースで確定1発 陽気だと乱数
H244振り(HD想定) ダイジェット、アースでダメージが全体HPの65.4%〜入るため、受け出しからダイマックスされても次のダイジェット、アースでほぼ落ちる
②ダイロック
HB ダイロックで乱数1発(62.5%)砂ダメ込み確定1発
③非ダイマックス技
HB じしんで乱数2発(98%)
H252振り ストーンエッジで確定1発
ただ、S20ではの配分がBに寄っていたり、特性トレースの個体が増加傾向であったので、S19よりは安易にダイマックスを切らないよう心がけました。
今回の構築では、と同時選出することで、電気技と飛行技の一貫を切ることが出来るので、への回答にもなります。の組み合わせであると水技が一貫しますが、特殊水であればのダイロックにより天候を砂嵐に変え、の特殊耐久を上げることで対応可能となるなど、この2体はかなり相性が良かったです。
3,レジエレキ@ひかりのねんど
特性:トランジスタ
性格:陽気(C↓S↑)
実数値:178-121-98-x-71-256
努力値:180-4-220-0-4-100
技構成:
調整:
H→ワイルドボルト反動ダメージ対策でなるべく高く
A→残り
B→A特化のグラスフィールド下鉢巻グラススライダー乱数1発(6.3%)
D→壁下でC特化C+1の破壊光線媒体ダイアタック乱数1発(12.5%)
S→スカーフ最速抜き
役割:壁貼り要員
ベース構築から続投の壁貼り要員です。
技は、コンセプトの両壁、自主退場技として大爆発、構築上重いへの打点となり、大爆発の威力を落とさない物理電気技のワイルドボルトを採用しました。
壁貼り要員としてを採用した理由としては以下のようなものが挙げられます。
①自主退場技の大爆発を持つ
②ほとんどのスカーフ持ちの上から壁を貼ることが出来るため、出落ちが少ない
③命の珠に後出しし、ダイジェットを打たれても上から光の壁を貼ることが出来る
④相手の地面枠の選出を半強制させる選出圧力を持っている(裏のが腐りにくい、相手の選出を予想しやすい)
⑤地面枠を選出されなかった場合には、ダイマックスをして自身がエースとなる選択が取れる
特に後ろの2つ④⑤が他の壁貼り要員にはない独自の性能と考えています。
4,ウォッシュロトム@たべのこし
特性:浮遊
性格:穏やか(A↓D↑)
実数値:157-x-141-126-151-114
努力値:252-0-108-4-84-60
技構成:
エレキネット/ハイドロポンプ/身代わり/悪巧み
調整:
H→振り切り
B→のA168珠ギガインパクト確定耐え
C→残り
D→壁下で身代わりがC実値194(C特化)の10万ボルト最高乱数以外耐え
S→準速抜き、S-1最速抜き
役割:怪電波で止まらない特殊エース
構築経緯にも書いたように本構築の起点です。による壁のサポートを受け、悪巧みにより全抜きを狙います。
ベース構築では物理耐久重視の配分(性格図太い)でしたが、環境にいるの火力上昇に伴い、配分を特殊耐久重視(性格穏やか)に変更しています。
技は、コンセプトの身代わり悪巧みとタイプ一致技2つ、電気技は今回はエレキネット(100%の確率で相手の素早さランクを1段階下げる技)を採用しました。
エレキネットの採用理由は以下の通りです。
①全抜きが厳しい場合に、非ダイマックス状態で後続(主に)のサポートをするため
②タスキ持ちポケモン(等)を素早さ関係逆転により処理するため
③怪電波、充電の処理の安定化のため
特に③については、エレキネットがないと、怪電波を起点にする際に、こちらの身代わりが破壊されるターン(身代わりへの2回目の攻撃のターン)に身代わりを押す択が発生していましたが、エレキネットを採用し、素早さ関係を逆転させることで、相手の技を見てから行動できるようになります。
また、S20ではS19までほとんど見られなかった充電が増加していましたが、こちらも素早さ関係の逆転により充電後の威力2倍の電気技を身代わりで防ぐことが出来るようになり、安定して対処出来ます。
5,ツンデツンデ@風船
特性:ビーストブースト
性格:勇敢(A↑S↓)
実数値:167-168-231-x-153-16
努力値:244-12-0-0-252-0
技構成:
ジャイロボール/ロックブラスト/ボディプレス/トリックルーム
調整:
H→実数値奇数最大値
A→H4B76ダイマックスをジャイロボールで確定1発
B→ダイマックス時=壁下=トリックルーム下の先行時にA特化の鉢巻エラがみ乱数1発(18.8%)
D→振り切り
S→最遅
役割:特殊受け/トリックルーム要員/対策
壁展開出来ない際の主軸となる、に代わる特殊受け兼トリックルーム下のエースです。 風船はに対して一回行動できるよう持たせました。特に、の剣の舞に後出しして、トリックルームによる切り返しを行うことはこの持ち物でしか出来ない動きとなります。
技は、一致最高火力のジャイロボール、鈍足のこのポケモンでも身代わり持ちに抗えるロックブラスト、への打点となり、特性とも相性の良いボディプレス、相性関係を逆転させるトリックルームを採用しました。
毒技無効のため、のアシッドボムによる崩しが対策出来ます。また、ベース構築ではトレースによるTODを前提とするなど処理ルートが曖昧だったの安定した対策となります。
鋼枠は相手のに隙を見せがちなので採用を躊躇していましたが、このポケモンは有利対面のトリックルームで相手の後続との相性関係を逆転させることができるので、相手からは見え辛い勝ち筋を押し付けることが出来ました。
また、ベース構築でははその素早さから、壁下での運用がメインとなり、壁展開以外の選出に絡めることが出来ませんでしたが、このポケモンのトリックルームにより、トリックルーム下の中速エースとしての役割を持たせることが出来るようになったため、選出の幅が広がりました。
ただ、Dに振り切ってはいますが、特殊受けとしては心許ない数値をしており、トリックルームを使用する関係上今回はチョッキも持てないため、程には雑に特殊相手に投げることは出来ないことには注意が必要です。
6,ピクシー@アッキのみ
特性:天然
性格:図太い(A↓B↑)
実数値:202-x-134-115-110-84
努力値:252-0-228-0-0-28
技構成:
ムーンフォース/火炎放射/瞑想/月の光
調整:
H→振り切り
B→の水流連打の乱数が特化の場合と変わらないところまで削りSへ
S→残り/S60族は激戦区なのでなるべく高い数値に
役割:物理受け/対策/積みエースストッパー/ドラゴン技の一貫切り
壁と組み合わせて広い範囲を誤魔化せ、特にバトン構築等の積み展開を止めるのに必要なポケモンとなるため、ベース構築から続投させました。
持ち物としては、→への変更によりが重くなったため、壁なしでもある程度に強くなれるアッキのみを持たせました。
技は、タイプ一致打点のムーンフォース、パーティ全体で炎打点が不足しているため火炎放射、積み技として瞑想、回復技の月の光を採用しました。
が抜けたことにより、耐久エスパー勢の処理にはこのポケモンがほぼ必須となったため、ベース構築よりも選出機会が増えました。
【選出パターン】
多かった選出パターンとして以下の3つを示します。
1,++
S18,19からずっと続けている壁展開での基本選出です。
壁下ので相手のPTを疲弊させ、そのまま勝ち切る、もしくは最後にで一気に仕留めるパターンが理想形です。
2,++or
壁展開の別パターンとなります。
特に等の初手ダイマックスからの展開に対してはこの選出をして、壁下のでダイマックスを枯らし、裏のエースを通します。
3,or++or
1,2の壁展開が難しい際の選出です。
特に相手の構築にがいる場合はを出すと好き放題されてしまうので、こちらの選出を優先しました。
基本的にかの初手ダイマックスで荒らし、のトリックルームから残りを倒すことを目指します。が倒れた後は、トリックルーム下でかを再展開するか、を中速のエースとして運用します。もが苦手とするに強いため、最後の詰め駒としてかなりの頻度で選出していました。
【最終結果】
S20の最終結果は以下の通りです。
最終レート2029 最終順位30位 74勝28敗 勝率72.5%
対戦回数が少ないものの、高い勝率をキープ出来たため、構築の改善自体は上手くいったと考えています。この勝率をキープできた要因としては、の採用により上位で多かった系統の構築に安定した勝率を出せたことが最も大きいと考えています。
ただ、特に入りに対して、を抜いた影響で後出しが効かなくなる場面が発生し、相手依存の立ち回りが必要とされたため、とマッチングすることを恐れ、対戦回数を重ねることが出来ませんでした。(実際サブロムはとのマッチングが多発し、択負けによりレートを溶かしてしまいました。)ゴースト技の一貫があるだけで立ち回りがかなり窮屈になっていたため、ノーマル枠()の存在の重要性を再確認するシーズンとなりました。
改めて冠環境お疲れ様でした。ようやくダイマックス有りの環境に慣れてきたところだったので、3ヶ月ダイマックス無しは寂しいです。
また、対戦いただいた方は有難うございました。
S21の禁止伝説ルールですが、構築はこれから考えるため若干出遅れそうです。ただ、8月の最終日は所用で徹夜では潜れないことが確定しているため、本格的に取り組むのはS22からになりそうです。これ以上過疎らないでね・・・
ここまで長文にお付き合い下さりありがとうございました。
何か質問等あればツイッター(https://twitter.com/LY95_sunny_poke)までお願いします。