今回はランクマッチS22で使用し最終39位の結果を残せた構築の記事となります。
【目次】
長文のため読み飛ばせるよう内部リンクをつけていますので適宜ご活用ください。
【並び】
並びはこちらとなります。(参考にレンタル貼り付けます)
【構築コンセプト】
で相手のアタッカーを受け流し後続のエースの火力を押し付ける
【構築経緯】
S22ではまず主要禁止伝説5体への対策を意識して構築を組んでいき、早い段階での5体の並びは固まっていました。それぞれの採用意図は以下の通りです。
①環境トップのに強いをHBゴツゴツメット型で採用
②を採用した場合に必須の対策枠としてを採用
③身代わり守る、アタッカーの両に対応出来る耐久振り命の珠を採用
④の苦手な対策としてHDを採用
⑤同じくの苦手な対策として最速鉢巻を採用
ここまでで主要禁止伝説には一定の回答を用意出来ているため、最後の一枠には、どの選出にも違和感なく組み込める対面性能を持ち、vs軸でのの負担を低減するために、に対面で勝てるポケモンを探していました。
色々なポケモンを試していましたが、最終的にはギミック構築への対策となる吹き飛ばしを自然な形で採用できるに落ち着きました。
並びを決めた後、ランクマッチに潜りつつ型を修正していきましたが、各禁止伝説の裏にいる受け駒の対策まで考えると、自然と各ポケモンの型がアタッカー寄りとなってきたので、今回は思い切ってに相手のアタッカーの受けをほぼ一任して+アタッカー5体の構成とすることとしました。
【個体紹介】
特性:プリズムアーマー
性格:腕白(B↑C↓)
実数値:204-177-181-x-129-112
努力値:252-0-140-0-0-116
技構成:
タイプ一致打点、無効タイプのない鋼技
ロックブラスト
炎タイプへの打点
小さくなる対策
龍の舞
攻撃と素早さを同時に上げる積み技
月の光
高速回復技
調整:
HB→A特化のA+1インファイト乱数2発(26.6%)
S→S+1で最速抜き、S+2で最速抜き
役割:物理受け/対策
対応範囲の広い禁止伝説枠です。このポケモンがいないと対軸が安定しないため、やはり構築に入ってきてしまいます。
高速回復技の月の光、メインウェポンのメテオドライブ、一撃との相性関係を逆転させる積み技の龍の舞まではほぼ確定で、今回はサブウェポンとしてロックブラストを採用しました。
ロックブラストはや等の炎タイプへの打点となるだけでなく、小さくなるへの対抗手段ともなります。小さくなるを積み切ったの安定行動は身代わり連打となり、確率的にはほぼ突破が不可能になりますが、連続技のロックブラストがあれば他の行動を強いる事が出来ます。ロックブラストの回数次第では落としきれませんが、当たった次のターンからメテオドライブを2回打てるので、そのどちらかが当たれば突破できます。ロックブラストをPP上限の16回打つと確率上は4回以上は当たるため、勝率としてはそこまで悪くなかったです。
コスモパワーを切った影響で詰ませ性能はなくなってしまいましたが、今回の構築でこのポケモンに求めた役割としては裏のエースの火力を押し付けるために相手の等のアタッカーを受け流す事となるため、その役割は十分に果たしてくれました。
2,カプ•レヒレ@こだわりメガネ
特性:ミストメイカー
性格:控えめ(A↓C↑)
実数値:177-x-147-148-151-106
努力値:252-0-92-156-4-4
技構成:
タイプ一致打点、への打点
波乗り
タイプ一致打点、への打点
への打点
トリック
相手の行動制限
調整:
HB→A特化の地震乱数2発(6.3%)
C→ムーンフォースで無振り確定1発
役割:高火力特殊アタッカー①/対策
耐性優秀な高火力特殊アタッカーです。有利対面を作ってメガネムーンフォース、波乗りの火力を押し付けていきます。
今回の構築は構築単位でが重く、このポケモンで剣の舞地震を耐えて切り返す必要があったため、素早さを削って物理耐久厚めの調整としています。
サブウェポンとしてはシャドーボールを採用しました。主にやへの交換読みで打っていきます。
シーズン中盤では特殊受けの自然の怒りを採用した型も使用していましたが、特にこだわりトリックによるとのシナジーが優秀すぎるため、最終的にはこだわりメガネ型に戻ってきました。
が苦手とするポケモン(一撃、地面タイプ等)にも軒並み強く、選出して腐る事がほとんどありませんでした。
3,化身ランドロス@命の珠
特性:力ずく
性格:臆病(A↓S↑)
実数値:165-130-111-148-119-168
努力値:4-0-4-100-148-252
技構成:
大地の力
タイプ一致打点
への打点
への打点
瞑想
受けループ()の突破に必要
への打点となる岩雪崩と入れ替えて使用
調整:
C→H252D4をC+1きあいだまで確定2発/D4振り(アタッカー想定)を大地の力で確定1発
HD→無補正C252振りのメガネダイマックス砲最高乱数以外耐え、命の珠ダイマックス砲ステルスロックダメージ込み確定耐え
S→最速
役割:高火力特殊アタッカー②/対策
命の珠+力ずくによる高火力が魅力の特殊アタッカーです。
身代わり守る、アタッカーの両に対応するために、非こだわりアイテムでを一撃で倒すことができ、メガネ持ちの高火力でも落ちない耐性、耐久力を持つポケモンを探していたところ、このポケモンに行き着きました。
技構成としては、軸を崩すために大地の力、気合い玉までは確定で、残り2枠が自由枠と考えています。受けループを崩すのに必要な瞑想と、軸を崩す時に便利な岩雪崩は環境を見て使い分けていました。最終的にはにストーンエッジを採用したこともあり、瞑想で運用しました。
有利対面を作った時に相手に与える負荷が高く、優秀な特殊アタッカーでしたが、きあいだまを打つ機会が想定以上に多く、このポケモンの調子次第でかなりレートが上下していました。
4,ガラルファイヤー@たべのこし
特性:逆上
性格:生意気(D↑S↓)
実数値:197-109-113-121-188-99
努力値:252-28-20-4-204-0
技構成:
燃え上がる怒り
タイプ一致打点、への打点
暴風
タイプ一致打点、への最大打点
不意打ち
対面性能を上げる先制技
悪巧み
受け崩し用の積み技
調整:
H→振り切り
A→B4振りを不意打ちで乱数1発(93.8%)
B→A187(耐久振り想定)の鉢巻インファイト乱数1発(6.3%)
C→残り
D→無補正C252振りのC+2ドレインキッス食べ残し回復込み確定2耐え
役割:特殊受け/積み特殊アタッカー/対策
特殊受け兼積みアタッカーです。に受け出し出来るのは本構築ではこのポケモンしかいません。他の受けであるとの違いとしては、の後出しを許さず、他のポケモンでの処理ルートを考える必要がない事が大きいです。回復技がありませんが、今回の構築は受け回すことを想定していないため、そこまで気になりませんでした。
また、を通すことが難しい軸にはこのポケモンをエースとして運用していきます。飛行技がエアスラッシュでは火力が足りず、チョッキに押し切られてしまうため、泣く泣く命中不安の暴風を採用しています。
耐久ポケモンを崩すために不意打ちを挑発に変更したい気持ちはありましたが、鈍足のこのポケモンの先制技は対面性能を高めるために重要となるため、最後まで外せませんでした。
5,カイリュー@こだわりハチマキ
特性:マルチスケイル
性格:陽気(C↓S↑)
実数値:167-186-115-x-120-145
努力値:4-252-0-0-0-252
技構成:
逆鱗
タイプ一致打点、高火力により物理受けの後出しを許さない
馬鹿力
への一貫する打点
への最大打点
神速
優先度+2の先制技
調整:
H→残り
A→振り切り/B4振りを逆鱗で乱数1発(81.3%)
S→最速
役割:高火力物理アタッカー/対策
特性により優秀な対面性能を持つ高火力の物理アタッカーです。
竜技の通りが良い構築には優先して出して行き、鉢巻逆鱗で負荷をかけていきます。先制技の神速により、最後のスイーパーとしても機能します。
環境にいるは、準速のS142以下のメガネ、チョッキ、たべのこし持ちか、最速のスカーフ持ちがほとんどであったため、陽気最速にすることでスカーフ以外のの上から逆鱗を打ち、有利に試合を進めることが出来ました。火力アップアイテムなしの冷凍ビームはマルチスケイル込みで耐えるため、スカーフでも対面処理可能です。
ストーンエッジの枠は当初はダブルウイングで運用していましたが、あまり打つ機会が無かったこと、逆鱗ではに耐えられてしまうことから、最大打点のストーンエッジに変更しました。への交換読みで打つことで触れずに処理出来るなど、命中率を差し引いても有用でした。
また、他のポケモンだと対処が難しいが相手の構築に居る場合には、なるべくこのポケモンを選出するよう心がけました。
6,ウルガモス@気合のタスキ
特性:炎の体
性格:臆病(A↓S↑)
実数値:161-x-99-173-126-167
努力値:4-0-108-140-4-252
技構成:
大文字
タイプ一致打点、への打点
等水タイプへの打点
吹き飛ばし
ギミック構築、壁対策
蝶の舞
火力と耐久を同時に上げられる積み技
調整:
HB→A特化の地震+氷の礫をほぼ耐える(地震で最高乱数を引かなければ確定耐え)
C→残り/大文字でH252振り確定2発
S→最速
役割:対面駒/対策
当初はこの枠にはを上から殴れるを採用していましたが、構築で重いに対面で負けることが気になったため、上記のポケモンに対面で勝つ事ができ、にも強いこのポケモンを採用しました。に対面で勝つために、タスキ持ちですがある程度Bに努力値を回しています。
技範囲は炎技+草技で大体の相手に対処出来たため、最後の一枠に吹き飛ばしを採用しています。壁等のギミック構築への対策になる他に、で崩すのが難しい、一部の受け構築(トレース入り等)を崩す時にも使用していました。の小さくなる、の瞑想との積み合いの後で吹き飛ばしを打って、裏の物理受けから崩していきます。
【選出パターン】
から2体+が基本選出です。
素早さ、瞬間火力の低いは受け構築や明確な役割対象であるがいる構築以外には極力出さないようにしていました。
禁止伝説上位8体については立ち回りで意識したことを個別に記載していきます。
vs軸
++
構築相性有利ですが、のスペックが高すぎるため、剣の舞を無償で積まれる展開だけは作らないよう注意して立ち回って行きます。
は取り巻きも複数パターン存在するため確定した選出はありませんが、でを受け流しつつ、最終的にを通すパターンが一番安定するため、まず狙っていきます。
他は取り巻き次第ですが、入りには、入りには、入りにはを優先して選出していくイメージです。はの後出し安定となるため、選出は控えます。
vs軸
++@1
禁止伝説の相性は不利ですが、こちらの攻撃技の通り自体は良いため、構築相性としては5分程度の印象です。
を受けることのできるは優先して選出し、後は相手に合わせて選出していきました。裏にはを対策出来るがいることが多かったので、電気技に後出しし後続に負荷をかけられるの選出機会が多かったです。
vs軸
++
構築相性は5分程度です。TODも視野に入れて戦うこととなるため、数的不利は取らないよう心がけます。
とを対面させ、相手に負担をかけていきます。裏には受けとしてを置きます。火力の高いに交代際に炎技を打たれてしまうと受け切れないため、の受け出しは竜技、毒技を読めるタイミングに限定するよう意識していました。メガネ流星群だとは落とされてしまうため、しっかり相手のTNをメモして再戦ではに引くようにしていました。(そこまで個体数多くなかったので気にならない程度でした、S23ではちゃんと対策します・・・)
vs軸
++@1(優先)
禁止伝説の相性は最悪です。の選出は控え、対面選出で対処しに行きます。
軸はの通りが良い場合が多いため、この2体を選出し対面的に動かしていきます。最後の一枠には裏によくいるやといった地面枠対策にを置くことが多かったです。
本構築は壁構築の対策をの吹き飛ばしに頼っているため、壁+瞑想はかなり厳しかったです。壁ターンを上手く調整すれば勝ち目がないというわけではないです。
vs軸
++@1(優先)
当然構築相性不利です。でサポートしてを通すのが基本方針です。
軸は裏にフェアリータイプのいない、竜技の通りが良い構築も一定数見られたため、その場合にはの鉢巻逆鱗で負荷をかけに行きました。
構築作成時はを通すルートも考えていましたが、想像以上にチョッキが多く、選出は控えるようにしていました。
vs軸
++@1(壁の場合は選出)
構築相性有利ですが、ジオコントロールからの気合い玉でが押し込まれてしまうため、立ち回りには注意が必要です。
が耐久振りの場合、のメテオドライブを耐えてくるため、先にを展開するか、のメテオドライブ+の神速で処理しにいきます。このポケモンは壁展開に組み込まれることも多いため、その場合にはを選出し、を後出しからの吹き飛ばしで流しにいきます。
vs軸
++@1
ミラーのため構築相性は五分です。
基本的にはを通すことを意識します。瞑想、蝶の舞を積んだ状態で相手のと対面させるように立ち回っていきます。
のトリックで相手のの動きを制限し、こちらのを通す動きも取れますが、こちらは読まれて後続に引かれがちなので、積極的には狙いに行きませんでした。
vs軸
++@1(TODのために優先)
構築相性は再戦でなければ基本有利です。
相手目線ではを一撃で倒せるポケモンがこちらにはいないため、大体を初手に出してきます。そこにを合わせて、ストーンエッジで落としに行きます。
ストーンエッジを外した場合には、を通すルートに切り替えます。後続を起点に瞑想を積み、をサイコキネシスで押していきます。基本的に軸は受けよりの構築が多かったので、数的有利を取ってで詰めに行くのが基本方針です。
【最終結果と反省】
S22の最終結果は最終レート2094、最終順位39位でした。レート2100には後一歩及びませんでした。
今回の構築は対応範囲が広く、禁止伝説のマッチングを恐れずにシーズン最後まで潜り切れたのは良かったですが、レートを伸ばしきれなかった要因としては以下を考えています。
①軸の想定以上の増加、対策不足
軸は最終週付近で増え始めていたため、最終日に増加することは想像していましたが、その増え方が想像以上でした。5連で軸とマッチングした時は流石にびっくりしました。
対面的な軸の構築に対しては、当初の想定通り安定した勝率を確保出来ましたが、壁+瞑想への対策が不足しており、不利な戦いを強いられていました。
今となって振り返ると、が最終日の環境から消滅していたため、今期に限って言えば、のメタを薄くしてでもに厚くするのが正解だったと思います。
②等一部一般枠への対策不足
ダイマックス無しではは命中不安により使用率は上がらないだろうとたかを括って対策を薄くしていましたが、終盤になるにつれ個体数が増加し、でしか安定した対処が出来ないこの構築では苦しい立ち回りを強いられていました。
また、ではなくを採用したことでも構築単位で重くなっていました。が剣の舞地震を耐える事ができ、飛行タイプ3体に対しては命中不安かつ威力が安定しないスケイルショットが最大打点となりがちなので、全抜きされる事は少なかったですが、削られて後続の圏内に入れられるケースが多かったです。
③命中不安技の多用
本構築では対応範囲を広げるために気合い玉や暴風といった命中技を多く採用しており、勝敗に響くケースが多々ありました。の暴風は元々不利な軸相手にしか打たないため、全体の勝率にはあまり影響していないと考えますが、の気合い玉やのストーンエッジは様々な構築相手に打つ必要があったため、これらの命中により勝率を相当落としていたと思います。
他にもいくつか気になる点はありましたが、大きなところは上記の①〜③のため、来期の構築で改善し、S23を有終の美で飾ることを目指します。
ここまで長文にお付き合い下さりありがとうございました。
何か質問等あればツイッター(https://twitter.com/LY95_sunny_poke)までお願いします。